必要なのにまだ世の中にない便利なものを、仲間とともに作り提供する
人事部門シニアマネージャーの糸井隆徳と申します。実は私はもともと、創業当初から「KING OF TIME」を開発してきたエンジニアでした。まずは、どんな経緯、そしてどんな想いで、技術畑から人事へと転身するに至ったのかからお話しします。
建築家の父がオーディオマニアで、スピーカーやアンプを作るような家で育ったこともあって、幼少期より自然とものづくりに親しむようになりました。また、オーディオ関連で父に連れられて秋葉原通いをするうちに電気やPCにも興味を持ち、家にたまたまあった PC で小学生の頃からBASICでプログラムを組んだりもしていました。
父の影響もあり、大学は建築学科へと進み、順当に新卒でゼネコンに就職しました。そこでは、阪神淡路大震災の復興事業に従事。使命感もあって、時には月の残業時間が 200h を越えるハードワークに勤しんだものです。しかし、さすがにそれは長くは続かず、1年あまりで退職に至りました。
そこで頭に浮かんだのが、小学生の頃から触れてきたコンピュータを仕事にするということ。つまり、ソフトウェア開発の道だったのです。孫請けSIerにてPOSシステム、コンシューマ向けソフトハウスにて印刷用アプリケーション、スタートアップにて中国向けIP電話アプリと、様々なビジネスや開発形態・手法を経験した後、ヒューマンテクノロジーズにジョインしました。そして先のIP電話アプリをともに開発していた1人と「KING OF TIME」を開発したのが2004年頃のことです。
「KING OF TIME」は、もともと携帯電話販売会社向けに作った勤怠管理ソフトでしたが、「これは外販できるんじゃないか」という可能性が出発点でした。この時点で「指紋認証による本人確認」「クラウド」という、他社にはない優位性を2つも備えており、「必要なのにまだ世の中にない便利なものを、仲間とともに作る」というのは、ものづくりにおける最高の醍醐味でした。
「ものづくり」も「人と組織づくり」も最高にクリエイティブな仕事
一方で、私自身、IT業界で様々な経験をする中で、時には過酷な労働現場を見てきました。でも、それをあたりまえにしてはいけませんよね。そのアンチテーゼではありませんが、ヒューマンテクノロジーズという会社は、「悪習を覆したい、エンジニアが残業なしで最大限の成果を出せる環境を作りたい」という私たちのチャレンジでもありました。製品がシェアNo.1になり、エンジニア組織が大きくなるにつれ、私の役割はものづくりから「人と組織づくり」へと変わっていったのです。
たとえば、新規事業やシステム方向性の舵取り、セキュリティ事業のマネジメント、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の取得、社内システムやインフラを運用する情報シス部門的な役割、採用方針の策定、サテライトオフィスや在宅勤務、フレックスを含む、働きがいのある環境づくりなどを通して、「人と組織」作りに携わる中で、人事への想いを高めてきたかたちです。
同時に、「KING OF TIME」の成長に伴い、社員は順調に増えてきましたが、単に人を増やすだけでは回らないわけで、成長し続けるための組織づくりが火急の課題となりました。そこで私が手を挙げ、それまでエンジニア組織でやってきたことを拡張するかたちで、会社全体の人事を管掌するに至ったわけです。やはり、IT企業の人事は、一般的な人事と違う部分が多いので、エンジニアリングのことがわかる人間が担うのも1つの早道だと考えたのも大きいです。
「人」と「技術」で「人時生産性」を向上させ、日本で給与が1番高い会社に
会社としては、がむしゃらに事業を軌道に乗せるステージを過ぎ、社会に対して貢献していくことも大事になってきていると思っています。そういう意味でも社員の成長が会社のためのみならず、社会を良くすることにつながっていけるような、中長期的なキャリアデザインを描ける環境が必須。なんなら終身雇用も悪くない、逆に、社員が一生働きたいと思ってくれる会社が1つの理想です。
そんな想いを具現化させるかたちで、人事組織の立ち上げから始まり、DX人材育成のしくみの企画立案、採用育成配置転換による適材適所の最適化、オンボーディングや定着率のさらなる改善などを10名規模のチームメンバーとともに手がけるなど、これでまで欲しかったけれどできていなかった施策を矢継ぎ早に進めています。
基盤を固めた後は、今後10年20年戦っていくための人事戦略をきっちり練り上げていくわけですが、「ヒューマンテクノロジーズ」という会社名の通り、「人」と「技術」が当社のコアコンピタンスですから、そんな私たちならではの理論を組み立てていきたいと思っています。
このように「ヒト・モノ・カネ・情報」という経営資源のうち、「人」についてとことん突き詰めていける立場になって、改めて当時創業者と言い合っていた、ある一言に回帰しています。それは「日本で給与が1番高い会社にしたい」というもの。ここでいうお金は1つの象徴であって、要するに「社員と自分たちの周りの人たちが幸せになれるような場所」を志してきたので、私たち自ら「人時生産性」を向上させ、実現させていく所存です。
なお、この「人時生産性」は、効率第一主義とは違うと思っています。なぜなら効率は「ムリ・ムダ・ムラ」の排除ですが、「人時生産性」は「改善」によって生まれるもの、そして、「改善」は心に余裕がなければできません。そうした「ゆるさ」だったり「遊び」だったりを保ちながら、私たちならではの人事を作り上げていきます。
応募者へのメッセージ
ヒューマンテクノロジーズの仕事は、ビジョンや目的を示され、そこにたどり着くためのプロセスや手段はそれぞれが考えて前に進んでいくという社風です。私自身も社長の見えている30年後の未来像をすぐには理解できないこともありますが、そこから動きながら咀嚼していく中で「なるほど、こういうことだったんだ」と思い当たることがよくあります。
何か前例のないことを成し遂げるには、きっとうんうん頭をひねるだけではなく、試行錯誤することが大事なんだと思います。その過程で、仕事の全体感がつかめるようになるし、いろいろなことに目が届くよう視野も広くなるし、周囲を巻き込んでいく目配せができるようになっていくと思っています。
そんな「走りながら考える」が日常茶飯事のヒューマンテクノロジーズでは、学ぶ姿勢や論理的思考が求められていますが、同時に「他人を助ける」カルチャーが横たわっているので、決して1人で難題を抱え込む必要はありません。社員には自立・自律が期待されていますが、だからこそ相互信頼で機能するチームワークを築いています。
このようにある意味社員にはとても高度なことを要求していることを自覚している分、私は「こんな良い会社で働けて嬉しい」とか「こんなに成長できる場所はない」とか言ってもらえるような環境を保ち続けることを約束します。